コラム

地元で看護師になるはずだった私が、今ここにいる理由(教育探究科学群 望月咲希さん)

UPDATE 2024.12.20

教育学を土台とした探究活動を通して「共創型ファシリテーター」の力を身に付ける、教育探究科学群の魅力とは?

2023年に開設された教育探究科学群のプラネット淵野辺キャンパス(PFC)。ここでは、学生たちが多様なテーマで探究活動を行っています。
 
今回話を聞いたのは、現在2年生で教育探究科学群の一期生でもある望月咲希さん。学群を選んだ理由やキャンパスの雰囲気など、「教育探究科学群」の魅力を教えてもらいました!

目次
  • PROFILE
  • 頭から離れなかった、黄色いパンフレット
  • 互いに学びあう、会話が生まれるキャンパス
  • 「好き」を貫いて、自分の道を歩む
  • どんな立場でも、人を笑顔にできる

プロフィール

望月 咲希

もちづきさき

【学群】教育探究科学群
【学年】2年生(※2024年度現在)
【出身】静岡県
【MBTI】ENFJ-A(主人公)

頭から離れなかった、黄色いパンフレット

――望月さんは、なぜ桜美林大学に?
 
望月さん 私、高校2年生の秋ぐらいまでは地元の看護学校に行くつもりだったんです。親からずっと「看護師になりなさい」って言われていたので、それしか頭になくて。
 
でも、だんだん「看護がやりたいわけじゃないよな…」と思うようになって。1人で大学フェアに行って、たまたま桜美林大学に出会いました。
 
――いろんな学群がある中で、教育探究科学群を選んだ理由は何だったんでしょう?
 
望月さん 実は、桜美林大学のビジネスマネジメント学群は一次試験で落ちちゃったんです。そのときに、そういえば黄色いパンフレットがあったなって思い出して。
 
――黄色いパンフレット?
 
望月さん 教育探究科学群のコンセプトカラーが黄色なんですよ。なんかこの黄色が頭から離れなくて…(笑)
 
パンフレットを読み返したら、「教育探究科学群の学び方は自分に向いてるかも」って思いました。「探究」とか「グループディスカッション」とか。

――看護学校ではなく大学に行くことに対して、親御さんの反応は…?
 
望月さん たくさん話し合って、なんとか説得しました。
 
最初にビジネスマネジメント学群を受験したときは、話し合いの真っ最中だったんですよ。結論が出ないまま受験のタイミングが来ちゃったので、「挑戦がてら」という感じで受けていて。
 
その後に改めて、自分が本当にやりたいと思っていることをしっかり親に伝えました。
 
――本当にやりたいことって?
 
望月さん 舞台に携わることです。3歳のときに劇団四季の『キャッツ』を観て以来、ミュージカルが大好きで。家でも毎日、自分で作った猫の尻尾をつけて踊ってました(笑)
 
――すごい!3歳でその熱中ぶり。
 
望月さん その頃からずっと好きなものは変わってないですね。
 
舞台の仕事をするには静岡よりも東京の方がチャンスが多いので、「静岡を出たい!大学に行きたい!」ってプレゼンしました。

互いに学びあう、会話が生まれるキャンパス

――舞台への熱意とともに教育探究科学群へ入ったんですね。実際に入学してみて、どうですか?
 
望月さん よかったです。芸能の仕事に携わるとなると、「魅力を伝える」とか、「多角的な視点で見る」っていう力が必要だと思うし、人と話す技術がすごく重要になると思うんですよね。
 
この学群はディスカッションが多いので、そういう力を鍛えられている感じがします。
 
――なるほど。芸能と教育って遠いものに見えるけど、つながっているんですね。
 
望月さん はい。ちなみに今のゼミでは、「芸術鑑賞教室」を探究していて。
 
――芸術鑑賞教室の探究?
 
望月さん 学校で、芸術鑑賞の授業ってあったじゃないですか。私のまわりには興味なくて寝てる子も多かったんですけど、そういう子たちにも、何かちがう形であれば興味をもってもらえるんじゃないかなと思って。自分の好きな芸術×教育をテーマに、日々探究しています。

プラネット淵野辺キャンパスでは、学生たちが出したセミナーやワークショップのアイデアを実現できる仕組みもあります。

――大学生活で印象に残っていることってありますか?
 
望月さん 授業だと、フィールドワークですね。福島県の小高町に行かせていただいたんですけど、すごくあったかいなあって。
 
――あったかい。
 
望月さん いきなりやって来た私たち大学生にも、「どこから来たの?」「どんなことするの?」って、地元の皆さんがすごく興味を持って接してくださって。都会にはない距離の近さだなって思いました。(望月さんのフィールドワークのレポートはこちら
 
あと授業以外でいうと、やっぱり休み時間が一番。
 
――休み時間ですか。
 
望月さん PF300っていう広い部屋に、ファミレスみたいな席とか、円卓とかがあって。授業が終わった後も自然とみんなが集まってしゃべるんですよ。
 
この部屋の奥には先生たちの部屋があるから、絶対に先生が通る。で、話に入ってくる(笑)
 
――先生が入ってくるんだ(笑)
 
望月さん 先生と生徒ではあるけど、その会話の中ではフェアな関係でいられるっていうか。私たちが先生から学ぶこともあれば、逆に生徒から学ぶこともあるって先生がおっしゃってて。そういう会話が自然に生まれる空間だなと思います。
 
(望月さんと、学修を見守ってくれる担当の先生(アドバイザー)である宮里先生が登場するインタビューはこちら!)
 
アドバイザー制度について

「好き」を貫いて、自分の道を歩む

――受験準備はどんな風に進めてましたか?
 
望月さん 受験をちゃんと意識するようになったのは、高校2年生の春夏あたりで。そこから「看護じゃないかも」とか、「大学は一般と総合型、どっちで受けるか」って考えたりとか。ほんとギリギリ、高3の春くらいまで悩んでました
 
ただ、ずっと思ってたのは、「自分の好きなことを貫き通せばいいよな」って。
 
――好きを貫き通す。
 
望月さん 親に言われるまま看護の道に行こうとしてたけど、自分の好きなものを見つめ直したときに、やっぱり舞台に携わりたいって思ったので。その気持ちを貫き通すために、反対されてもプレゼンして説得したり。自分の「好き」を大切にしました。
 
好きなことこそ頑張れるし、仮にうまくいかなくても、自分が選んだ道だからしょうがないなって思えるじゃないですか。誰かが敷いたレールじゃなくて、自分で作った道を歩みたかったんですよね。

どんな立場でも、人を笑顔にできる

――今後の進路について、どんな風に考えてますか?
 
望月さん 今は、芸術系の裏方につきたいなって思ってます。
 
――裏方。
 
望月さん 「舞台女優になりたい!」って思ってたときもあるんですけど、自分が表に立つ以外にもいろんな道があるなって思うようになって。
 
私、高校のときに文化祭で勘合貿易をやったんですよ。
 
――勘合貿易…!?
 
望月さん みたいなゲームです(笑)
 
世界史で勉強したんですけど、室町幕府と中国の明とのあいだで行われてた貿易で、貿易船と海賊船を区別するために、勘合と呼ばれる札を使って区別してたみたいなんですよね。
 
それにならって、1人1枚数字を渡して、文化祭が終わるまでに同じ数字の人を見つけられたら「勘合!」って言うゲーム(笑)。
 
――なるほど。楽しそう(笑)
 
望月さん 私は生徒会でそのゲームを企画したんですけど、目の前で勘合が成立したときの笑顔がすごく印象に残ってて。コロナ禍でずっとみんなの暗い顔を見てたけど、自分たちの企画で人を笑顔にできた!っていう体験になったんですよね。
 
だから役者だけじゃなくて、 裏で支えることでも人を笑顔にできるんだなって。私がやりたい「人を笑顔にすること」は、どの立場にいてもできることなんだって思うようになりました。
 
――それに気づけるの、すごいですね。
 
望月さん もっとお芝居にどっぷりな人生もあり得たと思うんですけど、最初の試験で落ちたときに視野が広がったかな。本当に自分に向いてるのは何だろう?って改めて考えるきっかけになりました。
 
教育探究科学群で学べる心理学も、社会教育士の資格も、データ分析のスキルも…全部、アーティストのプロデュースやマネジメントに活かせるなと思っていて。
 
この学群でたくさんのことを吸収しつつ、自分の道を決めていけたらなって思っています。

――最後に、受験生の皆さんへ伝えたいことはありますか?
 
望月さん 自分の「好き」を大切にして、否定されても貫いてほしいです。
 
それと、「1回立ち止まってもいいよ」って伝えたいですね。
 
――立ち止まる?
 
望月さん なんていうか…ずっと全力で走りつづけていると疲れちゃうし、視野がせまくなると思うんです。
 
私は勉強の合間に推しのライブへ行っていたんですけど(笑)
 
たとえば趣味の時間をもつことで、「好きなことについてもっと勉強してみたいな」ってモチベーションが湧いてきたり。立ち止まることで気づくこともたくさんあると思います!