コラム

興味ない授業を取ってみたら、文学少女に大変身!彼女が「リベラルアーツ学群を選んで大正解」と語るワケ(リベラルアーツ学群 酒井千賀さん)

UPDATE 2025.1.17

4領域・30もの学問分野から、自分に合った学びを選べる

大学で学べるほぼすべての学問領域を網羅しているリベラルアーツ学群では、自分の興味関心に合わせて、自由に学びの選択ができます。
 
リベラルアーツ学群4年生の酒井千賀さんは、自分が興味のない学問をあえて学んだことで、自分が本当に学びたいことを見つけることができたそうです。一体、どういうことなのでしょうか?
 
酒井さんの大学生活を振り返りながら、“リベラルアーツ学群での自由な学び”をのぞいてみましょう!

目次
  • PROFILE
  • 何となく取った授業で、本当に学びたいことを見つけた
  • 奥深い文学の世界を探究中!
  • 受験の面接は、恋愛シュミレーションゲームだ!
  • 人の役に立つ仕事がしたい
  • リベラルアーツ学群での出会いが、世界を広げてくれた

プロフィール

酒井 千賀 さん

【学群】リベラルアーツ学群
【メジャー(主専攻)】人文領域 文学プログラム
【マイナー(副専攻)】統合領域 日本研究プログラム
【学年】4年生(※2024年度現在)
【所属】桜美林文学会

何となく取った授業で、本当に学びたいことを見つけた

――酒井さんは、リベラルアーツ学群で文学を学びながら、文学好きな学生・教員が集まる「桜美林文学会」にも所属しているんですよね。文学尽くしな大学生活ですが、もともと文学を学ぼうと思っていたんですか?
 
酒井さん いや、ぜんぜん!リベラルアーツ学群でいろいろな分野の授業を受けるなかで、文学の勉強をしてみたいと思うようになったんです。
 
――というと?
 
酒井さん リベラルアーツ学群って、1年生のころに人文・社会・自然・統合の4領域のプログラムをすべて取らなければいけないんです。その半強制的に自分の興味のない学問を学んだのが、私には合っていたみたいで(笑)
 
――ほうほう。
 
酒井さん もともと学びたい学問が定まっていなかったので、まったく興味がなかった物理学の授業をなんとなく取ってみたんです。
 
物理学の先生って、当然物理が好きじゃないですか。だから物理学の魅力を語るのがとてもうまいんですよ!
 
ゲームでルールを知ることは大事でしょう?物理はこの世界のルールだから、そのルールを知っておくことは生きるうえで大事なんだよ」って教えてもらって。それを聞いて、「すごいおもしろいじゃん!」って思ったんです。
 
私は理系が苦手なので成績はあんまりでしたけど(笑)、リアクションペーパーはびっしり書いて提出していました。「今日の授業、感動しました!」って。

酒井さん その授業がきっかけで、「私も先生みたいに自分が好きなものを分析して、その魅力を言葉にして、誰かに伝えらえるようになりたい」と思って、文学を学ぶことにしたんです。
 
――「魅力的な学問を学ぶ」のではなくて、「なぜその学問が魅力的なのかを伝えられるようになりたかった」と。
 
酒井さん そうです!
 
――なるほど〜。好きなものの魅力を言語化できたら、世界が広がりそうですよね!
 
酒井さん はい。たとえば、動画サイトなどでアーティストのMVを考察している人がいるじゃないですか。「ここの歌詞の意味はこうだ!」「このシーンはこの曲のこことつながっているんだ!」とか。
 
それができるのって、ものごとを捉える解像度が高いからだと思うんです。それが私もできたら、楽しいものがもっと楽しくなるんじゃないかなって!

奥深い文学の世界を探究中!

――では、酒井さんが魅力を伝えたいものってなんでしょう?
 
酒井さん ゼミで研究している、『男色大鑑』という浮世草子です!1687年に井原西鶴が書いたものなんですけど。

酒井さんが持ってきてくれた、『全訳 男色大鑑〈歌舞伎若衆編〉』(文学通信)

――男色ということは、男性同士の恋愛を描いた物語ですよね。いわゆるBL(ボーイズラブ)?
 
酒井さん …と、思うじゃないですか。でも研究をしていくと、現代のBL作品と男色大鑑はイコールではないことがわかりました!
 
現代のBL作品は性的描写を具体的に書くことが多いんですけど、男色大鑑には性的描写が一切ないんです。そういう雰囲気は感じるけど、具体的には書かずにひと言で終わらすんですよね。
 
――へ〜!男色大鑑、気になるな〜。それにしても、入学当時は学びたいことを探していたのに、リベラルアーツ学群での学びを通して、男色大鑑までたどり着くってすごいですね!
 
酒井さん 1年生のころに興味のない分野の授業を取らなかったら、こうはなってなかったかもしれないですね。興味がないから最初はちょっと苦しくはあったんですけど、視野を広げることができました。
 
――桜美林文学会ではどんな活動をしてるんですか?
 
酒井さん 年に1回発行している『言葉の繭』という文芸誌と、『飴玉』というリーフレットを制作しています!

――わ!最新号の『言葉の繭 第6号』はボリュームがすごいですね!分厚い!
 
酒井さん 296ページの超大作です!毎号、文学と本、本屋さんをテーマに特集を組んでいて、2024年2月に発行した第6号は、「夏葉社と岬書店の自由研究」と「昭和の文学 考証×索隠」の特集2本立てになっています。
 
第7号の特集は、「猫文学」をテーマに制作中です。特集は私が担当するので、ちょっとプレッシャーを感じてますが…がんばります!
 
――それは楽しみですね!そもそも酒井さんはなんで桜美林文学会に?
 
酒井さん 先生に、「『言葉の繭』の制作を手伝って!」と言われて、お手伝いからはじめたのが最初でした。メンバーは10人前後いて、インタビューも編集も学生と先生でやるから、結構大変で。
 
――あのボリュームを少人数で!
 
酒井さん おかげで文学にどっぷりハマれたので、今となっては入ってよかったですね!

受験の面接は、恋愛シュミレーションゲームだ!

――酒井さんは学校推薦型選抜で入学したんですよね。どんな受験対策をしましたか?
 
酒井さん 面接の練習に力を入れていました。実はそのなかで、受験生におすすめしたい面接攻略方法を見つけたんです!
 
――おっ!ぜひ教えてください!
 
酒井さん 面接を恋愛シミュレーションだと思うことです!
 
――これまた斬新!
 
酒井さん ゲームでは相手がよろこぶことを言ったりやったりして、相手を口説くじゃないですか。
 
受験の面接も一緒。「私はあなた=大学のここが好きで、あなたじゃなきゃダメなんです!って気持ちで口説くように、回答するんです。
 
――アハハ!おもしろい!大学がよろこぶポイントを攻めるわけですね。
 
酒井さん アドミッション・ポリシーを見れば、大学がどんな学生を求めているのかがわかるから、それをふまえて「こんな人が好きなんでしょ?」「私はあなたが求める学生だよ」っていうのをアピールするんです。
 
面接だって思うとプレッシャーを感じるけど、「これは恋愛シュミレーションゲームで相手を口説けばいいんだ」って思えば、楽しくできます(笑)
 
――その攻略方法は就活でも役立ちそうですね。
 
酒井さん たしかにそうかもしれない!

人の役に立つ仕事がしたい

――今後の進路はどう考えているんですか?
 
酒井さん 美容サロンに就職する予定です。
 
――大学で勉強していることとはちがう方向ですね。なぜ美容サロンに?
 
酒井さん 「キャリア開発センター(CADAC)」でキャリアアドバイザーの方に、就職のことをいろいろ相談してたんです。
 
――キャリア開発センター(CADAC)は、入学から卒業まで、学生の将来設計(キャリアデザイン)を支援してくれる場所ですよね。
 
酒井さん はい。そこのキャリアアドバイザーの方に、「就職ではどんな仕事をしたいのかではなくて、どんな人生を送りたいのかを考えるのが大事だよ」ってアドバイスをもらって。
 
――ほ〜。どんな人生、か。
 
酒井さん それで自分と向き合ったときに、「人」と関わりたいなと思ったんです。
 
私は美容が好きで、友だちにヘアメイクをしたり、似合いそうな洋服を提案して、相手によろこんでもらうことが好きなんですよ。相手の役に立てたなって感じる瞬間って、うれしいじゃないですか。
 
――うん、うん。
 
酒井さん 「自分が好きな美容業界のなかで、人のために役立つことができる職業ってなんだろう?」と考えてたどり着いたのが、美容サロンでした。
 
――キャリアアドバイザーの方に相談していなかったら、もしかしたらその仕事にたどり着いていなかったかもしれないですね!
 
酒井さん 本当にそうです!親身に相談に乗ってくれるアドバイザーの方に出会えたので、キャリア開発センター(CADAC)を活用してよかったなと思ってます。

リベラルアーツ学群での出会いが、世界を広げてくれた

――改めてですが、桜美林大学に入ってよかったなと思うことってなんでしょう?
 
酒井さん いい先生に出会えたこと、ですかね!物理学の先生の言葉があったから文学を学ぼうと思えたし、先生に提案されたから桜美林文学会に入ったし、キャリアアドバイザーの方のアドバイスで就職先が決められました。
 
でもなにより、リベラルアーツ学群を選んだのが大正解だったのかもしれないです!だってこの学群じゃなかったら、そもそも物理学の授業を取ろうだなんて思わなかったですから。半強制的に自分の興味のない学問を学んで、思ってもみなかった世界を好きになることができました。
 
もし学群選びで悩んでいる受験生がいたら、迷わずリベラルアーツ学群をおすすめしたいです!