先輩オベリンナー訪問

桜美林大学をいい意味で使い倒せたから、今の自分がいる エンタメスタートアップおじさん 今井 遵

UPDATE 2023.10.11

ビジネス、芸能、学問など、各界で活躍する先輩オベリンナー(桜美林の在学生や卒業生の総称)たち。彼ら・彼女らはどんな学生生活を送っていたのか、在学生オベリンナーが聞きました!

今回は、「エンタメスタートアップおじさん」こと今井 遵さん(2014年度 リベラルアーツ学群卒業)。司会者、アイドルプロデューサー、イベントプロデューサーなどの肩書きを武器にエンタメ&スタートアップ業界で活動する今井さんの、アグレッシブな大学生活に迫ります!

目次
  • 2年生後期で主専攻を2つ取ることを決意
  • 歓喜も大失敗も経験した大学祭実行委員会
  • 大学を思う存分活用したほうがいい
  • 新しい価値観に気づいた就職活動
  • 桜美林大学には、感性を刺激するきっかけがたくさんある

今井 遵さんのプロフィール:
株式会社IMAJUN創業者。エンタメに全力投球していたのに気づけばスタートアップ業界にも飛び込んでいた「エンタメスタートアップおじさん」。日本最大級のライブ配信アプリを提供する17LIVE株式会社、大手芸能事務所である株式会社アミューズを経て、2021年4月に株式会社IMAJUNを創業。2023年4月グローバルな投資活動を行うHeadline Asiaチームに正式ジョイン。国内最大のスタートアップカンファレンス「IVS」でのスタッフ統括やLAUNCHPAD SEED責任者などを担当。

聞き手:
斎藤さん(リベラルアーツ学群 2年)

  • 斎藤

    ETのTシャツがかわいくて、気になっちゃいました(笑)。

  • いまじゅん

    あはは!これ?気分を上げて、自分を鼓舞する意味でも、洋服も髪も派手にしがちなんです。あ、僕のことは「いまじゅん」でいいからね!

  • 斎藤

    とってもお似合いです!いまじゅんさんはどんなお仕事をしているんですか?

  • いまじゅん

    いまは3本柱ですね。イベントで司会者をしながら、VTuberのアイドルグループをプロデュースしたり、ビジネスのために資金調達をしたい人と投資家の出会いをつくる会社でイベントの企画や運営をやったりしています。2023年6月には京都で1万人を超えるイベントを開催しましたよ!

  • 斎藤

    1万人!?すごい!「エンタメスタートアップおじさん」という肩書きは、いまじゅんさんがやっている仕事を総称した、みたいな感じなんですか?

  • いまじゅん

    総称というか、エンタメ業界で働きながら、スタートアップ業界と関わってみて気づいたことがあって。スタートアップってわかります?

  • 斎藤

    うーん、聞いたことあるかな?というくらいです…

  • いまじゅん

    新しいアイデアで世の中の課題を解決する、創業間もない企業や事業のことをそう呼ぶんです。で、実はエンタメ業界とスタートアップ業界はどちらも「人の為におもしろいことをしたい!」という共通点があるんですよ。

  • 斎藤

    へ〜!!

  • いまじゅん

    なのに、「どうやって一緒に仕事をすればいいのかわからない」という理由で、交流する機会が少ないんですよね。じゃあ僕がその2つをつなぐ役割を果たそう!ということで、「エンタメスタートアップおじさん」が誕生しました。

  • 斎藤

    実際にどんな依頼が来るんですか?

  • いまじゅん

    例えばエンタメ企業から「スタートアップ企業と仕事をしたいんだけど、何をお願いしたらいいの?」とか、スタートアップ企業からは「メディアに露出したいんだけど、どうしたらいいの?」とか。タレントさんからも「最近事務所を辞めてフリーになったけど、どうしたいいのか分からない」などなど。いろいろな依頼がありますよ。

2年生後期で主専攻を2つ取ることを決意

  • 斎藤

    桜美林大学にも主専攻と副専攻を組み合わせる「メジャー・マイナー制度」がありますし、2つの業界をつなぐって桜美林っぽいですね!

  • いまじゅん

    たしかに!そういえば、僕はダブルメジャーだったんですよ!

  • 斎藤

    えっと、主専攻と副専攻ではなく、主専攻を2つ取っていたっていうことですか?

  • いまじゅん

    そうそう。僕はコミュニケーション学が専門の荒木晶子先生(現在は退職)の授業を受けたくて桜美林大学に入学したんですけど、一番前の席で一生懸命授業を受けていたら、荒木先生に「授業が終わったらオフィスに来て」と呼ばれて。入学の理由を熱弁したら「あなた、私のアシスタントをしない?」と。

  • 斎藤

    気に入ってもらえたんですね(笑)

  • いまじゅん

    そうみたいです(笑)それで、なんと運よく荒木先生のティーチングアシスタント(授業のサポートをする人)になれたんですよ。1年生なのに3年生のゼミの合宿に連れて行ってもらったりして、2年の後期で単位も取り終えて、大満足。

     

    で、3年生からはコミュニケーション学専攻からビジネスエコノミクス専攻に転向しようと思って荒木先生に相談したら「両方やったらいいじゃない!」と助言が(笑)ダブルメジャーをする気なんてなかったので、「その手があったか!」とびっくりしたんです。

  • 斎藤

    でも、コミュニケーション学と経済学や経営学などを学ぶビジネスエコノミクスって、分野が全然違いますよね!?3年生から学ぶのは大変だったのでは?

  • いまじゅん

    学費を祖父母に出してもらっているという恩もあって、僕ができることは「与えられた大学という環境を満喫することが恩返しである」という意識がすごくあったんです。だから頑張れましたね。

     

    しかも高校時代から楽器をやっていたこともあり、リベラルアーツ学群なのに芸術文化学群が使う音楽の練習室にも出入りしたり、桜美林大学と同じで相模原にキャンパスがある青山学院大学のインカレオーケストラサークルに所属したりと、全部の学群、大学外をまたいで活動していました(笑)

【当時の写真】 オーケストラでも積極的に活動

歓喜も大失敗も経験した大学祭実行委員会

  • 斎藤

    大学をフル活用してますね(笑)さらに、大学祭実行委員会もやっていたとか。

  • いまじゅん

    そうなんです。大学祭実行委員会は僕の学生生活のなかでも比重が大きかったですね。だけど、3年間の活動を締めくくる閉会式で大失敗しちゃって…。

  • 斎藤

    わ…どんな失敗を?

  • いまじゅん

    当時流行り始めていたプロジェクションマッピングを取り入れた演出で、映像と舞台をシンクロさせたものだったんですけど、その映像が流れなくて…。「映像が流れません!!」って、インカムからメンバーの泣き声が聞こえてきてね…。

  • 斎藤

    想像しただけで心臓が痛い…。

  • いまじゅん

    前日夜まで映像を作り続けていたから、映像のリハーサルをやるのを怠ってしまったんです。それはメンバーへの信頼を言い訳に、映像のチェックもせず、スケジュール管理もできなかったリーダーである僕の怠慢なんですよね。そこで僕はリーダーに向いていないんだと気づいたんです。

  • 斎藤

    今でもその出来事を思い出すこともありますか?

  • いまじゅん

    ありますね〜。
    イベントの際に映像が流れるボタンを押すときは、未だに手が震えますよ。でもそのときのメンバーとは今も一緒に仕事をしているし、いい仲間と出会えました。みんなあの時の失敗を糧(かて)にがんばってるんじゃないかな。

【当時の写真】 イベント当日もバタバタだったそう

  • 斎藤

    他にはどんな活動を?

  • いまじゅん

    2年生のときにやった入学式のプロデュースが思い出深いかな。当時学生生活を支援する学生部の部長だった方が「桜美林大学に入学してよかったと思える式にしたいから、今井に任せる」と言ってくれて。

  • 斎藤

    入学式のプロデュースを学生がやってたんですか!?

  • いまじゅん

    そうそう。せっかくの機会だし、全部の学群のいいところを集結させたものにしたいと思って、「いまじゅんオールスターズ」みたいなチームを結成したんです(笑)僕が企画からキャスティング(配役)、司会を担当して、あとはみんなの得意分野に合わせて役割分担して。ひっちゃかめっちゃかだったけどいい経験になりましたね。

  • 斎藤

    「エンタメスタートアップおじさん」の活動みたいに、学生時代からいろんな人をつなげていたんですね(笑)

  • いまじゅん

    たしかにそうだね(笑)今の活動ができているのは、桜美林大学で過ごした4年間があったからだと思っています。桜美林大学を選んでよかったし、他の大学じゃダメだった部分はたくさんありますね。

【当時の写真】 入学式で司会を担当

大学を思う存分活用したほうがいい

  • 斎藤

    そもそも桜美林大学を選んだのは、荒木晶子先生の授業を受けたいと思ったことがきっかけだったそうですが、他に理由はありましたか?

  • いまじゅん

    高校3年生のころ、実は1浪して他の大学に行くことも考えていたんです。だけど通っていた塾の先生に相談したら、「今井はどの大学に行ってもいい人脈を作って大学を盛り上げるだろう。だったら浪人なんてせず、少しでも早く大学を卒業して、世の中に価値を還元しなさい。なんなら桜美林の卒業生のなかで一番有名になったらおもしろいじゃないか!」って。

  • 斎藤

    かっこいい…!いまじゅんさんの周りにはいい大人がたくさんいたんですね。

  • いまじゅん

    そうかもしれないですね。もちろんすべての助言が腹落ちしていたわけじゃないけど、僕はそれぞれの大人が好きだったからこそ、自分の判断に迷うぐらいだったら、その大人の言う通りにやってみようと思っていました。

     

    その点、大学はいい大人がいる宝庫なんだから、先生や職員になんでも相談して、大学を思う存分活用したほうがいいと思いますよ。

  • 斎藤

    桜美林大学の先生も職員も、学生との距離も近くて相談しやすいですしね!

  • いまじゅん

    そうそう。単位を取り終わったから大学に行かないとか、大学の外に交流を求めに行ったりする人もいますけど、大学のなかでもできることはたくさんあると思います。

新しい価値観に気づいた就職活動

  • 斎藤

    就職はエンタメ業界にしたのかなと思いきや、新卒で入社したのはリラクゼーションサロンの会社ですよね。選んだ理由は?

  • いまじゅん

    エンタメ業界を目指してはいました。だけど、これだけ学生生活でいろんな大人と知り合ったし、「そんなに困らず就職できるでしょ!」って、甘く考えていたんですよね。気づいたら、周りは内定をいくつももらっている中で、僕はゼロ。遅れて就活をスタートしました。

  • いまじゅん

    だけど就活をする中で、現役で働いている方のリアルな声を聞いたり、エンタメ業界を本気で目指している友達ができたときに、「僕はエンタメ業界の一部に関わりたかっただけで、そのなかで働きたいわけじゃなかったんだ」と気づいたんです。

  • 斎藤

    エンタメ業界で働かなくても、その一部には関われるわけですもんね。

  • いまじゅん

    そうなんです。結果的に今では、就活でお世話になったエンタメ業界の方たちと一緒にお仕事をするようになっています。エンタメ業界の内側のことを知った今考えると、もしあのときエンタメ業界に新卒で入っていたら、理想と現実のギャップで数ヶ月で心が折れて、全く違う人生を歩んでいたかもしれない。僕の選択は間違っていなかったなと思っています。

  • 斎藤

    就活って「この業界が好きだから。この商品が好きだから」という理由で会社を選びがちなイメージがありますけど、広い目で見れば選択肢はいくつもあるんですね。

桜美林大学には、感性を刺激するきっかけがたくさんある

  • 斎藤

    最後に、桜美林大学への進学を検討している方に、なにかメッセージはありますか?

  • いまじゅん

    そうですね。自分の特性をなるべく理解して大学を選べたらいいと思うんですけど、その特性を見つけるのって高校生では難しいと思います。

     

    その点、僕が大学祭実行委員や先生のアシスタントをやったみたいに、桜美林大学には入学後に学生の感性を刺激するきっかけがたくさんあった。自分のやりたいことが明確な人も、まだ定まっていない人も、いろんな学生を受け入れる器の大きさが桜美林大学にはあるんだと思います。

  • 斎藤

    僕は在学生として、きっかけが多い分、チャレンジもしやすい校風だなと感じています。

  • いまじゅん

    そうそう。だから迷っている人は、一度オープンキャンパスに来たらいいと思う。オープンキャンパスの運営や入試の手伝いをしてる「桜インターン」の大学生たちはきっと向き合ってくれると思うし。

  • 斎藤

    僕も桜インターンなので、ぜひ来てほしいです!

  • いまじゅん

    お、そうなんだ!僕は桜インターンの立ち上げメンバーでもあるんだよ。最初は20人ぐらいしかいなくてね。

  • 斎藤

    え〜、すごい!今は300人くらいいますよ!

  • いまじゅん

    あはは!めちゃくちゃいる(笑)

     

    桜インターンも含め、桜美林大学の学生はいい人が多いし、先生も職員も親身になって相談に乗ってくれるし、いい出会いがあるはず。僕は実際にこの大学で、今もつながっているいい出会いがたくさんあったから。桜美林大学を選んだら、きっと充実した大学生活が送れると思います。