コラム

ラジオで日本語に触れて以来、「言語」のおもしろさを探究中!グローバル・コミュニケーション学群 李貞愛先生

UPDATE 2024.3.21

桜美林大学には、おもしろい経歴を持った頼れる先生たちがいます!

学生にとって、日々勉強を教えてくれる先生はとても身近な存在ですよね。だからこそ「どんな先生がいるのか」は、大学を選ぶとき、とても大切な基準になります。

 

そこで、桜美林大学の先生たちの実態を大解剖!
研究内容からプライベートでの素顔まで、あらゆる角度から調査してみました!

 

「この先生の授業を受けてみたい!」そう思える先生を、ぜひ見つけてください!

目次
  • 【解剖結果】教授の解剖プロフィール!
  • 先生をあらわす3つのキーワード
  • 【解剖1】先生の研究内容をわかりやすく教えてください!
  • 【解剖2】授業やゼミの内容を教えてください!
  • 【解剖3】どんな学生に授業に参加してほしいですか?
  • 【解剖4】先生の日常のヒトコマ
  • 【解剖5】もっと先生を知る!マル秘エピソード
  • 受験生のみなさんにひと言!

【先生のプロフィール】

名前: 李 貞愛(り ていあい)
学群: グローバル・コミュニケーション学群
担当科目: 言語教育(中国語学概論)、言語教育(中国語教育)、上級中国語演習(読む・書く中国語)など

【解剖結果】教授の解剖プロフィール!

先生をあらわす3つのキーワード

(1)先生の研究をひと言で表すと?

中国語と日本語、韓国語、英語などの他言語を比較した研究や、言語習得方法

 

(2)なんで言語に夢中になったの?

日本語の美しさに魅了されたから!

 

(3)最近興味があることは?

ミュージカルやフィギュアスケートなどの身体表現

【解剖1】先生の研究内容をわかりやすく教えてください!

  • 李先生

    私は「言語」と「言語習得」の研究をしています。

     

    扱うテーマはふたつあります。ひとつは、「中国語と他の言語の否定表現は何がどう違うのか?」、もうひとつは「日本語を母語とする人が中国語を習得するにはどうしたらいいのか?」ですね。

――言語のなかでも、中国語の研究がベースなんですか?

  • 李先生

    そうですね。中国語をはじめ日本語や韓国語、英語などの言語を対象としています。

――言語の研究のおもしろいところはどこですか?

  • 李先生

    いろいろな言語を学び、深く追求することで、「この言葉の裏にはこんな意味が含まれているんだ」「日本語と中国語で、同じ意味なのに使い方が違う言葉があるんだ」など、さまざまな発見があることがおもしろいですね。

     

    たとえば、中国語ははっきりと伝えるストレートな表現が多いと言われていますよね。でも実は、中国語にも日本語のように遠回しに伝える表現がたくさんあるんですよ!

――なるほど、おもしろい!

  • 李先生

    ただし言語の研究をするためには、その言語を習得することがとても大切なんです。

    そこで、より楽しく中国語を勉強してもらうために、近年中国語の学習に役立つアプリの開発にも取り組んでいます。

――アプリの開発ですか?

  • 李先生

    みなさんも英語の学習経験があるからわかると思いますが、学校の授業だけではマスターすることは難しいじゃないですか。

    外国語を習得するためには、学校の外でも自主的に勉強をすることがとても重要。でも、単語を読んで書いて覚えて…という単純な作業はとても単調で、なかなかモチベーションが上がりにくいでしょう?

――そうですね…。

  • 李先生

    それに、今では外国語学習用のアプリはいろいろあるけれど、授業で使っているテキストと対応しているわけではないから、使いにくいじゃないですか。

     

    そこで、大学で使っているテキストに対応した単語学習アプリを開発しています。電車に乗っているときや家にいるときなど、隙間時間にサクッと楽しく単語を覚えられて、「中国語の勉強っておもしろい!」と思ってもらえるようなデザインや仕様になるように、試作を続けているところです!

――アプリ、とても便利そうですね。完成が楽しみです!

【解剖2】授業やゼミの内容を教えてください!

(学生たちと先生)

 

中国語学概論では、「中国語とはどんな言語なのか?」を理解するために、中国語の音韻、語彙、文法、漢字、外来語などの側面から現代中国語の基礎知識を学び、その上で日本語や英語、韓国語などの他言語と比べて、違いと共通するところをとらえるような授業を行なっています。

 

最後の授業で学生にレポートを発表してもらうのですが、学生ごとに中国語に対するイメージがまったく違うんです!
それを聞くのが毎年の楽しみになっています。

 

 

 

 

(リベラルアーツ学群の中国語専攻の学生と行ったゼミ合宿の様子)

 

2025年度から、言語研究と言語教育をテーマにしたゼミを開講する予定です。中国語に限らず、いろいろな言語に興味を持っている学生に参加してもらいたいですね。

 

以前、教鞭をとっていたリベラルアーツ学群のゼミでは、各自で興味を持っているテーマについて研究してもらいました。

 

たとえば「日本における中国語の掲示物」や「日本と中国と韓国のネット用語」、「中国語学習における”语伴”の有益性と可能性ー桜美林大学での実践的導入を目指してー」といった研究をした学生がいましたよ。

 

 

 

 

(李先生の著書)

 

いままで単著、共著を含めて22冊の本を出版させていただきました。その中でも『日中ふれあい”漢語”教室』という本は、中国語を学びながら、日中異文化に触れられる本です。

 

この本では、楽しく中国語が学べるように日中大学生の語り合いをドラマのような展開にしてみました!登場人物は日本人学生と中国人留学生。日中大学生の語り合いから日中異文化が垣間見ることができます。

 

トピックは「花見」「梅雨の季節」「花火」「七夕」「学園祭」など12を設定。中国語で「自分のこと、日本のことを語る」、中国語を通して「中国人のこと、中国のことを知る」ための1冊となっています。

【解剖3】どんな学生に授業に参加してほしいですか?

(1)言葉に興味がある学生

言葉自体に興味がある学生や、言葉に関係があることに興味がある学生に参加してほしいですね。たとえば「中国語の”葡萄牙“はなんで”ポルトガル“をあらわすの?」「映画のセリフと字幕翻訳は同じではないって本当?」など、興味の内容はなんでもOKです!

 

(2)言語教育を目指す学生

「外国語教師になりたい」という学生はもちろんのこと、「言語教育の歴史」や「言語政策」に興味がある学生はぜひどうぞ。「日本人はいつから中国語を学び始めたのか?」「中国語は、中国では”普通话”と言うがそれはなぜか?」など、深堀りしたい学生は大歓迎!

 

(3)言葉に対して「なぜ」を持っている学生

「とくに好きではないけど、疑問はある」くらいの意識でも大歓迎です!私は小さいころから「なぜ」がとっても多くて、言語に対する疑問がいつしか「好き」に変わって、今も多くの「なぜ」の答えを見つけるために言語の研究を続けています。

【解剖4】先生の日常のヒトコマ

(来日してから野球も好きになった)

 

 

日本に来てからもう二十数年。好きになったものがたくさんあります!

 

日本に来て最初のころは相撲が大好きでした。その頃は、若乃花と貴乃花の兄弟が大活躍していた時代。両国国技館へ相撲観戦をしに行ったこともありますよ。

 

あとは野球も大好きになりましたね。中国では野球の認知度と人気度が日本ほどではなく、中国に住んでいた頃は野球についてまったく知らなかったんです。でも、来日当時の日本の野球界は、パ・リーグにイチロー選手がいて、セ・リーグに松井秀喜選手がいて、大盛り上がりしていた時代。

 

テレビで中継している試合を夢中になって観ていました。今はやっぱり大谷翔平選手に注目しています!彼、すごいですよね!

(サンフランシスコのアジア美術館)

 

 

こちらの写真は、サンフランシスコへ研修に行った際に訪れたアジア美術館。美術館巡りは趣味のひとつです。

 

あとサンフランシスコでは、オペラハウスにバレエも観に行きました。最近、バレエやミュージカルなどの身体表現に興味があるんです。

 

私たちは動物の言葉がわからないので、動物のしぐさや目線を観察して、何を訴えているのかを判断しますが、身体表現は言葉をしゃべる人間があえて身体動作で表現をしていますよね。

 

たとえばミュージカルだったらダンス、フィギュアスケートだったらスケーティング、スピンやステップといったものです。そういった言葉以外の表現がおもしろくて、つい観てしまいます。

 

(映画のメンバーズカード)

 

 

 

月に1回を目標に、映画館へ足を運んでいます。メンバーズカードを使うと、お得に映画が観れるのでいいですよね(笑)

 

 

おすすめの映画は『さらば、わが愛 覇王別姫』という中国映画。50年にわたる激動の中国史を描いた、名作中の名作です!

 

 

日本でもとても有名で、中国に興味がある人はほとんど観てるんじゃないでしょうか。すごくいい映画なので、よかったらぜひ観てください!

 

 

 

【解剖5】もっと先生を知る!マル秘エピソード

――李先生は中国の大学で日本語を学んだ後に、その大学で日本語学科の専任講師に就任。その後日本に留学して以来、ずっと日本の大学で教鞭をとっていますよね。李先生が日本語に興味を持ったきっかけはなんだったんですか?

 

あれは高校生のときだったかな。ある日ラジオを聴いていたら、たまたま日本語のラジオが流れてきたんです。

その時はこれが日本語だと知らなかったし、内容もまったくわからなかったけど、「キレイな音だな〜」という印象で、祖父に何語かを聞いて初めて日本語というものを認識しました。その瞬間に「こんなにキレイな音を持つ日本語を学んでみたい!」と思ったんです、

 

――へ〜!「この音、なんか好きだな」という、些細な思いから始まったんですね。

 

そうですね。それまではジャーナリストになりたかったんですよ。「いろいろな国を飛び回って、今起きてることを自分のカメラに収めて文字で伝えたい」っていう夢をずっと持っていたんです。

でも日本語と出会って、一瞬で変わりました(笑)

 

――もしその時にラジオを聴いていなかったら、違う人生を歩んでたかもしれませんね。

 

本当にそうですね。今、将来どんな道に進むか悩んでいる方が多いと思いますが、「これ、なんか好きだな」というほんの少しの興味であっても、進む道を歩んでみる十分な理由になると思いますよ。

 

――日々研究に取り組んでいる李先生の息抜きはなんですか?

 

決まってコレ!ということはなくて、その時にやりたいことをやっています。「今日は笑いたいな〜」と思ったときは、お笑い番組を観ますね。お気に入りの番組は『笑点』

最後に来るオチがいいんですよ〜!

 

ちなみに日本と中国では笑いのポイントが違うので、「今日の気分はこっち!」と、その日によって日本と中国のお笑いを使い分けています。

受験生のみなさんにひと言!

桜美林大学には、あなたの可能性を見つける機会がたくさんあります。

 

もしあなたが、英語を勉強するためにグローバル・コミュニケーション学群に入学するとしましょう。グローバル・コミュニケーション学群には、さまざまな国から来た留学生がいます。

日本の大学にいながら、文化的背景も言語的背景もまったく異なる学生と、同じ教室で勉強をすることができるんです。

 

また、英語を勉強しているあなたは、留学生の友だちの影響で、中国の言語や文化に興味を持つかもしれない。その場合、中国語も学べる環境が整っていますので、トライリンガルも目指せます!

 

桜美林大学では、これまで自分が体験したのとはちょっと違う世界が見られるはずです。そのなかで、自分がこれから進みたい道や自分の可能性を見つけてほしいと思います。